【新唐人2014年8月2日】中共「人力資源・社会保障部」は7月29日、第二四半期末の都市住民の失業率は4.08パーセントだと発表しました。しかしその直前、「国家発展・改革委員会」は失業率が約5パーセントだと述べていました。ただ妙なことに、そのデータはすぐに削除されました。専門家は、中共の発表する失業率は永遠に4パーセントで変わらないので、意味がないと述べました。
「人力資源・社会保障部」が第二四半期の失業率を発表した前日、アメリカの新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、中共の発表する失業率は、景気にかかわらず変動がないため、意味がないと酷評しました。この失業率は、地元の福利センターに登録された労働者しかカバーしておらず、多数の農民工を含んでいません。
浙江財経大学 謝作詩教授
「第一、中国の失業率はずっと4%前後です。経済のよしあしにかかわらず変わりません。ですから、この数字に皆 疑念を持っています。第二、これは都市住民の失業率で農民工を含みません。だから国際的な失業率とは異なります。中国経済を全面的かつ正確に反映していません」
2008年、金融危機のあおりで中国の製造業3000万人の雇用が失われた時でさえ、この失業率はほとんど上がりませんでした。ただし農民工が大勢、農村に帰郷したため、失業の深刻さが明らかになりました。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」は評論で、中国の真の失業率は国家機密だと指摘しています。
中共の指導者は毎月、内部の就業調査書に目を通しますが、この数字は通常、公開されません。4月、ある官僚が失業率は5.17パーセントだとうっかり漏らしましたが、その数字は当局の発表よりも1パーセント、高い数字でした。李克強首相も去年9月、ある文章で、2013年の上半期の失業率は5パーセントだと述べています。
一方7月30日、「国家発展・改革委員会」は、6月末に全国31の大都市で調査した失業率は5.05パーセントだったと発表しました。当局が都市の失業率を正式に発表するのは、これが初めてです。「国家発展・改革委員会」は、この数字は4か月連続で下がっていると胸を張りましたが、この情報はすでに公式サイトから削除され、関連ページも開けません。
浙江財経大学の謝作詩教授は、「失業率が4か月連続で下がったこと」について、庶民の実感とはかけ離れたデータだと述べました。
浙江財経大学 謝作詩教授
「経済が低迷している今、失業率は上がるのが当然です。庶民の実感とかけ離れたデータは逆に疑念を抱かせます。昨日 経営者数人と会ったら、皆 リストラすると言っていました。そのうち1人は2か月頑張っても、駄目だったら。100人首を切ると言っていました」
「国家発展・改革委員会」の失業率が削除された点について専門家は、官僚にとっては5パーセントという数字は、目障りなのかもしれないと分析しました。
北京天則経済研究所 段紹譯さん
「失業率は景気を反映すると同時に地方政府の官僚の功績にも関わります。中国では指標が社会の安定に影響することがあります。失業率が高すぎれば、庶民が不満を抱きます。だから 一部の数字は庶民に知らせません」
「中国証券ネット」の報道によると、今年、中国の大卒者は過去最高の727万人に達し、就職活動は史上最も過酷なものになりそうです。
「人力資源・社会保障部」のスポークスマンによると、上半期は97万人の求職者が内定を獲得しました。そのうち大卒者は56万人ですが、56万人と言えば、727万人もいる大卒者の7パーセントに過ぎません。この数字だけでも、大卒者の就職活動の大変さがよく分かります。
オーストラリアの雑誌「商業傍観者」は、7月21日、中国の失業率と労働者不足に関する記事を掲載しました。中国全土の労働力調査と就業指導機関の統計データを基に、102の大都市の失業率を計算したところ、今年の第一四半期は農民工を含めた大都市の失業率は8.7パーセントで、農民工を除いた失業率は6.9パーセントでした。今年の第一四半期の前の失業率も、これに近い数字だったので、高失業率が続いていると考えられます。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/07/30/a1126746.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/萩野 映像編集/李)